【準備セミナーダイジェスト】「ベンチャー就活における企業選びの軸づくり」(続き)

さて、ここから軸の「仮説」を立てるための考え方を見ていきましょう。

 

軸の仮説を立てるための「5つの質問」

1.内向きと外向きの組織
2.何をやるかより「誰」とやるか
3.風土(合理的 / ガツガツ / ウェット)
4.提案営業をしたい / してもいいかも / イヤ
5.規模感 (30人 / 100人 / 300人以上)

上記の5つの質問に対して、自分の言葉で答えることができれば、バリ活から見れば、「あ、たぶんこの学生はこの企業が合いそう」「このベンチャーは合わないだろうな」という当たりをかなり精度高くつけることができます。

 

まずは、質問を一つずつ解説していきます。

 

1.「内向き」と「外向き」の組織

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その会社の組織を円で考えると、円の内側は自社の組織や社員がいます。内向きの組織は、「自分たちがどうなりたいか」という点を重視しています。

 

たとえば、サイバーのように「21世紀を代表するインターネットカンパニーを目指す」などはその典型ですし、業界1位を目指す、2020年100億を目指すなどもそうですね。要は「すごい会社」にしたい系の目標です。

 

すごい会社系だけではなく、こんなのもあります。「社員全員が幸せになれる会社にしたい。」これも「自分たちがどうなりたいか」なので、内向きの組織の例になります。

 

では、外向きの組織はどうなるか。円の外側には、顧客や社会、日本、世界があります。極端なところでは、世界から貧困をなくすと本気で掲げていれば超外向きの組織ですし、そこまでスケールが大きくなくても、目の前のお客さんに役に立ちたいという考えを大事にしていれば、それも外向きの組織です。

 

内向きと外向きはどちらがいいという話ではなく、どちらが自分に合うかという観点で見てみてください。「どういう環境だと、自分がより頑張ろうと思えるか」と考えるといいと思います。

 
2.何をやるかより「誰と」やるか

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これはベンチャー界隈でよく聞く言葉です。何をやるかも誰とやるかもどちらも大事なはずなのですが、「何をやるかは正直ほとんどどうでもよくて、誰とやるかが超大事!」という人は、かなり企業選びの軸が明確になります。

 

「価値観の合う人と働きたい」という欲求が強い場合は、そういう人たちが集まった企業がぴったり合う傾向にあります。

 

この志向性がある場合は、その企業が「過半数以上の人たちが、そのカテゴリーや仕事には興味なくて入っているかどうか」を見てみてください。

 

たとえば、不動産のベンチャーなのに、過半数の人たちが就活のときに他に不動産の会社を1社も受けず、そこに入っているといったかなりレアな企業です。

 

こういう企業は、「カルチャー」としてヒトを惹きつける特別な何かを持っているので、価値観が合った場合は、ばちっとはまるはずです。


3.風土(合理的/ガツガツ/ウェット)

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ベンチャーの風土は様々ですが、類型化すると上記3つの「組み合わせ」である程度整理できます。

 

合理的は分かりやすいと思います。ちょっと理屈っぽい人が多いですし、旧帝大クラスの新卒入社メンバーが多く、もっと言えば東大と慶應が多い。中途メンバーは大手出身者が多い傾向にあります。

 

次にガツガツですが、これは負けず嫌いな性格や、自己成長を重視している人が多いイメージです。MVPなどの表彰式がめちゃくちゃ盛り上がって、できる人が注目されたり、入社数年の抜擢人事も行われやすい傾向にあります。

 

最後がウェット。これは要は人間関係が濃いということです。プライベートまで含めてお互いのことをよく知っているし、飲み会や休みの日に会社のメンバーで遊ぶことも比較的多いイメージです。

 

これら3つの特徴は、「組み合わせ」で成り立っています。たとえば「合理的」だと「notウェット(ドライ)」が多そうですね。外資系のイメージが近いかもしれません。

 

けれど、仕事は「合理的」でMTGや資料は非常にロジカルだけれど、人間関係は「ウェット」な組織というのももちろんありえます。

 

この3つはどれがいいか一つ選ぶというより、どの「組み合わせ」が自分にしっくりくるかを考えてみるといいと思います。


4.提案営業をしたい/してもいいかも/イヤ

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ここまでは会社の「思想」や「ヒト」、「風土」について見てきました。次は、ぐっと具体的になって営業という「仕事」の話です。

 

なんとなく皆さん気づいているとおり、文系出身者はその大半が何らかの営業職につくことになります。

 

営業がどうしてもいやだという場合は、サービス業や本部職のような仕事になるので、かなり絞られます。ベンチャー界隈でいえば、ITベンチャーで強い自社プロダクトを持っている会社なども営業以外の配属が多いですが、これも狭き門です。

 

働いたことがないと、営業のイメージがなかなか湧かないと思うので、ここで簡単に説明します。皆さんが受けるようなベンチャーはいわゆる「無形商材」型のサービスが多いので、顧客に対して「オーダーメイド(セミオーダー)」で売ることになります。

 

この「オーダーメイド」は誰がやるかというと、もちろん現場の営業が行います。営業が自ら「企画」して、その「企画」を顧客に買ってもらうということです。

 

よく「企画」をやりたいという学生がいますが、営業はかなり「企画」要素が強いと言えます。なにしろ最前線で「顧客接点」を持って、それを起点にどういう提案するか「企画」するわけですから。

 

できる営業パーソンになると、ただ目の前の顧客に対して「企画」を売るだけではなく、全体のサービス改善やマーケティング改善の「企画」に役立つ情報発信も行います。これは、営業が最前線で「顧客接点」を持っているからです。

 

ということで、営業がどうしてもイヤという場合は、相当対象企業が絞られるので、それも企業選びの軸になりますし、営業してもいいかもという場合は、「誰にどのような企画提案をしていくのか?」という観点で見ていくといいと思います。


5.規模感(30人/100人/300人以上)

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ベンチャーの話を聞いているとよく「フェーズ」(段階)の話題も出てくるのですが、今回は分かりやすく人数規模を見てみましょう。

 

働いたことがないので、人数規模とそこで「自分が働いた場合、どうなるだろう?」という想像をするのが難しいはずです。そこで、皆さんに分かりやすく「部活」と「学校」を比喩で使ってイメージしやすい話をしていきます。

 

まず、30人規模のベンチャー。これは30人くらいの部活を思い浮かべてください。あなたは中学で30人の野球部に入った。よくありそうな規模感ですね。こういう環境では、1年ではすぐにレギュラーになれないかもしれないけど、2年生くらいだとうまいとけっこうレギュラーになれる。チームとしての「一体感」もあることが多いです。

 

次が100人規模のベンチャー。100人の野球部を想像してみてください。なかなか多いですね。しかも、これは普通の中学の野球部ではありません。超強豪校の高校の野球部に入ったと考えたほうが現実に沿います。皆さんは自分が楽勝で入れるベンチャーに入ることはほぼないので、自分から見たらレベル感が高いメンバーが周りに揃っています。しかも、部活はせいぜい2つ上の先輩がいるだけですが、ビジネスの世界では10個上も20個上も同じフィールドで戦わなければいけません。

 

そもそも100名規模のベンチャーは、そのカテゴリーではすでに日本トップレベルだったりしてかなり強い会社なので、30代の経験豊富な中途メンバーが上にいたり、新卒1期生・2期生で勝ち残った精鋭が組織内の要職を担っているケースが多い傾向にあります。

 

この環境では、同期の中で活躍するのもなかなか難しくなってきますし、社内的に注目されたり、大きな仕事を任されるには相当がんばらないといけないはずです。ただ100名くらいまでは「チーム感」を強く持って、成長していけるケースが多い傾向にもあります。

 

最後に300人規模のベンチャー。この人数になると、部活ではなく、学校単位になってきます。皆さんの高校の一学年くらいでしょうか。誰がどういう人なのかはよく分からないけど、顔と名前を見るとなんとなく分かるといった感じです。仕事上で誰がどういうことをやっているのかや、その人の強みなどはお互いほとんど分からず、若手が見える範囲は、会社というより、自部署の中の自分が所属するチーム単位になります。学校で言えば、高校の中の自分のクラスはけっこう分かるというイメージです。

 

組織のベクトルがかなりうまく合っている場合は、そのチーム単位の10~30名ほどが、一番最初に上げた30人規模のベンチャーのように「一体感」や「チーム感」を伴っています。

 

ちなみに余談ですが、大手で働くとどういう感じなのかも少し話しておきましょう。5000人規模、大きければ数万人規模の大手があります。5000人規模くらいだと、たとえば同志社大学の一学年くらいのイメージです。顔も名前も知らないメンバーばかりですね。

 

同志社の学生で、「自分は同志社をもっと良くするぞ!」と思って学生生活を送っている人はほとんどいないのと同様に、「うちの会社やサービスをもっと良くするぞ!」と思って働いている人もほとんどいなくなります。どちらかといえばその企業に「所属」している感じだと捉えると実態に合っていると思います。

 

長くなったのでまとめると、「100人前後が基準になる」ということを覚えておいてください。100人くらいが、自分が活躍できるかどうかの「分岐点」ですし、「チーム感」を持っていることも多い傾向にあります。

 

「5つの質問」の活用方法

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活用のポイントは、まず「5つのどの項目が自分にとって大事か?もしくは大事ではないか?」を明らかにすることから始まります。

 

たとえばこんな感じです

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1の組織のベクトルは正直どうでもよくて、4の提案営業が一番大事。誰にどう営業するかという「仕事」の観点が、自分にとっては一番大事そうだ。あと、5の規模感も絶対ではないけど、100人未満くらいがよさそうな気がする。

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さて、大事な順番をつけたうえで、次の設問が本番です。

「なぜ、これが自分にとって大事か?」

特に大事だなと思った項目と選んだ答えについて、なぜ大事かを言葉にしてみましょう。

 

考え方は、次の2つの観点をそれぞれ出してみるとスムーズです。

①自分の過去の経験から
②就活で会った具体的な企業での印象・影響から

 

たとえば、2の何をやるかより「誰と」やるかが自分にとって一番大事だとして、それは「自分の過去の経験」が関係していそう。高校の野球部で仲間たちと一緒にやっていたときが、自分が本気でのめり込めたからなどですね。

 

まとめます。

まずは直感的に1から5の設問に答えて、それを自分にとって重要な順に並べ替える。そして、重要度が高いものがなぜそういう答えになったのか、理由を考えてみる。こういう流れになります。

 

イベントで座談会や選考を受ける際も、この5つの質問を頭に浮かべながら企業の話を聞いて、質問をするなど主体的に参加してみてください。きっと企業選びの軸の精度が上がっていくはずです。